Cy3 と Cy5 の違いは何ですか?

Cy3とCy5の違い

Cy3Cy5はどちらもシアニン色素ファミリーのメンバーであり、顕微鏡、フローサイトメトリー、蛍光 in situ ハイブリダイゼーション (FISH) などの蛍光ベースのアプリケーションで分子生物学および生物医学研究に広く使用されています。類似点があるにもかかわらず、化学構造と光学特性が異なるため、それぞれ異なる特性とアプリケーションがあります。

化学構造

Cy3 は、緑色スペクトル (約 550 nm) で吸収が最大になる化学構造を持ち、一方、 Cy5 は赤色スペクトル (約 650 nm) で吸収するように構造化されています。吸収スペクトルのこの違いは、2 つの染料間のポリメチン鎖の長さの違いによるものです。

光学特性

Cy3 は黄緑色の範囲 (約 570 nm) で蛍光を発するため、標準フィルターを備えた蛍光顕微鏡で観察できます。一方、 Cy5は遠赤色の範囲 (約 670 nm) で蛍光を発します。これは赤外線スペクトルに近いため、検出にはより特殊な装置が必要です。

アプリケーション

Cy3Cy5 は光学特性が異なるため、異なる用途に使用されます。Cy3、タンパク質や遺伝子発現の研究​​など、可視スペクトルで高い感度とコントラストが求められる用途でよく使用されます。Cy5遠赤色発光によりバックグラウンド干渉が最小限に抑えられるため、自己蛍光を発する組織やサンプルを扱う用途に適しています。

光安定性

Cy5 はCy3に比べて光安定性が高い傾向があります。このため、 Cy5 は長時間の光曝露を必要とする用途や繰り返しイメージングが必要な用途に適しています。

機器との互換性

Cy5は遠赤外線領域で発光するため、近赤外線領域に感度のある検出器が必要ですが、これは標準的な蛍光顕微鏡装置では必ずしも利用できるとは限りません。可視領域で発光するCy3は、ほとんどの蛍光検出装置と互換性があります。

結論

要約すると、 Cy3Cy5 はどちらも蛍光ベースの研究において貴重なツールですが、化学構造、光学特性、用途が異なるため、それぞれ異なるタイプの研究に適しています。Cy3 と Cy5 のどちらを選択するかは、必要な感度、生物学的サンプルの性質、利用可能な検出装置など、実験の特定の要件によって異なります。

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