有効開口(CA)とは、レンズ、ミラー、フィルター、ウィンドウなどの光学部品において、メーカーが光学仕様の達成を保証する中央領域です。実質的に、光学素子の「使用可能」領域を定義します。

重要な違い:物理開口と有効開口
光学素子の機械寸法と光学的な有効領域を区別することが重要です。
- 物理直径(機械直径 Φphys): ガラス基板の実際の外形寸法です。光学素子をマウントに取り付ける際に必要となる寸法です。
- 有効径(ΦCA): 光軸を中心とする内径のうち、欠陥やマウントによる遮蔽がない範囲です。
- 関係: 有効径は物理直径より常に小さくなります。
その存在理由
有効径と物理的直径の間の領域(一般に「エッジ領域」と呼ばれる)は、主に3つの理由から性能保証の対象外です。
- 製造上の制約: レンズやフィルターの端部では、製造工程中に「ロールオフ」(表面の平坦度が低下する現象)やコーティング厚のばらつきが生じることがあります。
- 取り付け要件: 光学マウントでは、止め輪または接着剤を使用して光学素子を固定します。この取り付け金具は光学素子の外周を覆います。有効径が端部まで広がっていると、マウントによって光が遮られます。
- 保護(面取り): 精密光学部品では、ガラスの欠けを防ぐため、物理的な角に傾斜加工(面取りまたはベベル加工)が施されています。これらの面取りされたエッジに光学的な機能はありません。
標準仕様
有効径は通常、データシートに次の2通りのいずれかで記載されます。
- 百分率での表記:「直径の 90% 以上。」
- 特定の寸法として:「有効開口:22.0 mm。」
実例: 1インチレンズ
「直径1インチ」の光学素子と記載されている標準的な実験室用レンズを考えます。
- 実寸直径: 25.4 mm(正確に1インチ)。
- 仕様: 直径のCA > 90%。
計算方法: 有効領域を求めるには、実直径に割合を掛けます:
25.4 mm * 0.90 = 22.86 mm
これが意味すること:
- 保証範囲: レンズが光を完全に集光する22.86 mmの中心円領域が確保されています。
- 取り付け領域: 外周部に約1.27 mm幅のリング状領域があります。この領域は、取り付けリングで固定しても「保証された」光路を遮らない安全な範囲です。
設計ガイドライン
光学系を設計する際は、次の経験則を使用してください。
- ケラレの防止: 光ビームが有効開口より小さいことを確認してください。ビームが周縁部に当たると、遮られてケラレが生じたり、歪んだりする場合があります。
- ビーム径に基づくサイズ選定: 一般的には、ビーム径(1/e²)より少なくとも1.5倍大きい有効径を持つ光学素子を選択します。これにより、ビーム全体がガラスの最も品質の高い領域を通過します。